紅葉紀行。

もうすぐ12月になるというのに、まだまだ暖かい小春日和が続くので
大好きな場所「長府」までカメラ片手に足を延ばしてみた。

土塀の残る美しい町並みは、序々に蝕まれつつある。
マンションと建て売り風の味気ない建物。

枝垂れ桜の季節に「功山寺」に行くのが好きだ。
長府毛利家の菩提寺で、仏殿は国宝。高杉晋作挙兵の寺としても有名な場所。

観光客も多いので、まずは腹ごしらえ。
蕎麦屋で天丼&ざる蕎麦1枚(食べ過ぎ)。

ちょっと西へ戻り、下関美術館「絵で読む 宮沢賢治展」へ。
最近改めて詩集を読み直したばかりだったので、すごく良いタイミングだった。

雨ニモ負ケズ 宮沢賢治 1933.11.3

雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテイカラズ イツモシヅカニワラッテヰル 一日ニ玄米4合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ 野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ 東ニ病気ノ子供アレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニ疲レタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ 南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイイトイヒ 北ニケンカヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ ヒデリノトキハナミダヲナガシ サムサノナツハオロオロアルキ ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ。

死を覚悟した際の直筆のノートが展示されていた。
僕もサウイフモノニナリタイ。

「注文の多い料理店」「ひのきとひなげし」
    「セロ弾きのゴーシュ」「なめとこ山の熊」なんかが好きだ。

絵本を1冊購入。

美術館裏の現代的な庭園。

裸婦と紅葉。

とても充実した休日である。

その足で、隣接する迴遊式の日本庭園「長府庭園」へ。

池を中心に書院・茶室・あづまやが残されている
西運長(にしゆきなが)の屋敷跡。孫文蓮でも有名。

ちょうど茶会も開かれていて、着物姿の女性が多かった。

カメラ片手に夢中になってしまうくらいの美しさ。

                         平成19年 晩秋